真冬の岩木山麓に客を呼ぶ

12月半ばになると、山岳写真家達を喜ばすような、澄み切った青空と白装束の岩木山が綺麗だ。

夏の岩木山は、透明感があり、どこか女性の姿を想わせるのだが、冬の岩木山は雄雄しく、それでいて華麗だ。
さしずめ、歌舞伎の立役ではなく宝塚歌劇団の男役か。

年が明ける頃には、弘前旧市内は雪が無くても岩木山麓は雪景色になる。
それに伴ってウサギやリスなど小動物が白いキャンバスの上を走り回る。小動物だけならいいが、時折眠り損ねた熊が大きな足跡を残しているときがある。

冬場は事務所とはいえ、食物を置いておくこと「館内侵入事件」に発展する恐れもあるから危険なのだ。
このような自然がいっぱい?の土地を雪深くない土地の人々にぜひ堪能していただきたいと、当協会青年部を軸に動きが始まっている。もちろん、温泉場の冬対策は今に始まったことではないが、かつて『湯治場』として賑わいをみせた湯宿の経営者たちは、大きな利益をつかんだ感覚を忘れられないでいる。だから、どうしても再開発という観点からの行動には無関心だ。そんなことをしても曾てのようにならないとしり込みをする。疲れているのだろう。

数年前までは公的資金も出ただろうし、それを使ってイベントを組み、誘客をした。ところが、悲しいことに一過性であることは間違いなく、イベントを面白がっているうちは客も来るが飽きると来ない。それをやめれば、誰も見向きもしない状態になるのことで疲れがどっと出ることになる。

ここ数年の低迷状態の中で、動き出したのは青年部だ。

シーズンが2分されているこの土地では、冬場は完全クローズだ。
この状態を何とか打破しようといろいろ考えはするが、なかなかイベントを考える程度で誘客につながるアイデアは生み出せないでいる。過去に単発のイベントで失敗している実例があるだけに、彼らの親達の二の舞を踏ませたくないということを考えてしまう。そうなると相談を受ける筆者としても慎重にならざるおうえない。

雪を題材に、雪を楽しんでもらえるようたくさんの企画を考えた。

夏場利用している遊歩道をスノートレッキングのコースとして使う。冬はクローズするスカイラインの下部を使って遊技場にする。そり遊び、盥でもいい、かまくらもたくさん作りたい。それも4から5人用、二人っきりのラブかまくら、子供に帰って雪を楽しんでもらおうと考えている。
そして、メインは馬そりで温泉街を一回りするというものだ。買い物をしたり、温泉に入って次の馬そりを待って帰るようにと、企画はどんどんふくらんでいる。

この企画をぜひ継続性のある「商品」として確立しようと奮闘中だ。
「馬とそり」のレンタルは数件に問い合わせているが、予算や他の条件が合わず、なかなか決まらない。
来年12月には新幹線青森駅が開業。当然、津軽に客が押し寄せることだろう。

しかし、冬場はどこもお客に楽しんでもらう材料が無い。
こんな単純な企画でも、定着することで次の付加価値をつけていけば『売り』になるかもしれない。
これは生みの苦しみだが、青年部もこんな風に努力し始めてから少し考え方が変わってきているのがうれしい。
手っ取り早く客を呼び寄せようというのではなく、客と一緒に雪を楽しもうという感覚が芽生えてきている。これは筆者もいつも考えることだが、自分が面白い、楽しいと思わないことは相手も楽しくないのだ。

心からもてなせと、観光業を相手にしたセミナーでは必ず説くが、相手の気持ちを重視しているかが問題だ。心からお客と一緒になって、あるがままの冬の温泉場を楽しんでもらうための努力をしたい。

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