岩木山頂上結婚式

今月号には時間的にどうかとは思ったが、どうしても書き記しておきたいのでお付き合い願いたい。

結婚式は8月23日(日)、午前10時30分から岩木山頂上・奥宮で「神前結婚奉告祭」として行なった。

二人は付添い人(荷物持ち+映像記録班)3人を引き連れ、朝5時に嶽温泉を出発した。
参加人数は、友人知人・親族を入れると50人以上になった。
下から出発した花嫁花婿は別にして、8合目に到着した「実行委員」達は、この日晴れ上がった空を見つめて一同、胸をなでおろした。筆者もその一人なのだが、天候だけは心底気になっていた。もし、悪天候の場合は神社に直行して段取りをしなければならないと、前夜は少し緊張した。

8号目では、すでに神主・巫女さんのペアがウォーミングアップしていた。一同、彼らの荷物の多さにはビックリした。エベレスト登山の際に同行するシェルターそのものだった。神主さんの背中から頭を数倍越すほどの荷は、本日の聖なる儀式に必要とされる道具の数々。巫女さんの重そうなリュックには、お供え物の野菜や果物と生魚まで入っているのだ。岩木山神社に相談したのは筆者だが、禰宜様が苦笑していたのはこのことだったのかと今更に気が付き、感動するやら、自分の認識の無さを恥じた。

下から登ってきた新郎新婦他と8合目で合流した。盛り上がったのはつかの間、歩き組はすぐに出発した。リフト組みは9時、神主・巫女さんを先頭に出発。リフトの途中、9合目からのこの人達の体力は大丈夫だろうかと心配になったが、自分の調子も気になりだしたので口には出さなかった。

好天には恵まれたが、風が出てきた。体が宙に浮くような状態になり、バランスが崩れる。9合目からは、距離すら無いが崖を登るような厳しい場所が多い。まして、大きな荷を持つ人には過酷だ。一番目に体調不良を訴えたのは、巫女さんだった。聞くと、ほとんど山にくることは無いという。そうだろうと、納 得するのには理由がある。岩木山は、安寿姫伝説があるように「女の山」で、巫女さんなどは登ることはないのだ。今回も、山の神が意地悪したのかもしれない。サポーターの一人であるカリスマデザイナー和久氏が、巫女さんの荷物を代わりに背負い、ゆっくりしたペースで登り始めた。時間は倍近くかかったが、無事全員頂上に着くことができた。

さて、これからが本番だ。カップルの着替え室は、テントで覆っただけの粗末なものだが、周囲の冗談に覆いの中から応える楽しい声が、頂上の風の中で舞っている。

10数人の登山ばやしの方々との立ち居地の打ち合わせなど、式の最終段取りが済ませた。

着替えが終わった花嫁が、岩場をあっちこっち飛び回っている。嬉しそうだ。せっかくセットしたヘアーも台無しだが、楽しい気持ちが透けて見えるようで、メルヘンの世界だ。飛んでいる花嫁・花婿をやっと捕まえて、控えの位置に立たせた。いよいよ、本番だ!神主が奥宮の前で待つ。その隣には巫女・親族。立会いに来た人達はスクープを撮ろうとする業界人のように岩場に位置を取る。

登山ばやしの演奏がファンファーレだ。赤ジュータンは無いが、バージンロードを二人が歩き出し、風が吹きあれ、立会人たちの大きな拍手が岩木山の頂上に鳴り響いた。
二人は、鳥居を背に奥宮の前に立ち、厳かに式が始まった。

以下は「神前結婚報告祭」式次第だ。

★登山ばやし(普通は神社の太鼓)

  1. 1. 修祓(お清めのおはらえ)しゅうぼう
  2. 1. 献饌[けんせん]
  3. 1. 祝詞奏上[のりとそうじょう]
  4. 1. 三三九度の盃事[さんさんくどのさかずきごと]
  5. 1. 誓いのことば奏上[ちかいのことばそうじょう]
  6. 1. 玉串奉奠[たまぐしほうてん]
  7. 1. 親族固めの盃事[しんぞくかためのさかずき]
  8. 1. 撤饌[てっせん]

★下山ばやし

東に八甲田山脈、西に白神岳、津軽半島、日本海が一望できる頂上は、絶景だ。
彼ら二人はもちろんだろうが、我々「実行委員」にとっても一生離れられない体験だった。

この間、携帯電話を使ってFM局との取材を受けていた。風の中で、局側も聞き取り難かっただろうが、番組を聞いた何人かの人は臨場感が有って、まるで自分も頂上にいて立ち会っているようだったといってくれた。筆者は岩木山の宣伝の為、話題になって今後も岩木山神社での式が多くなればと、どちらかというと打算的だったのだが、終わってみると意義あることの連続だったと、今もその想いを噛みしめている。

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