ボーダレスの感覚でありたい

以前「岩木山でパンデミックに怯える」と題して、世界規模の感染症がおきたらと訴えたら現実のものとなってしまった。WHOは警戒水準(フェーズ) を世界的大流行(パンデミック)を示す「6」まで視野に入れ始めた。5月5日時点ではフェーズ5までの発表だが、このコラムが発表される頃にはパンデミッ ク状態になっていないとも限らない。

日本政府は「水際作戦」を実施していると公式発表したが、この考え方は実に島国らしい。EU諸国では、他国との民族的交流を考えた上で、感染経路を 含む公式発表をきめ細やかに行っている。それは、自国との結びつきがある世界中の国々に対しての気遣いでもあろう。単に、自国だけが感染しないように防備 しようとする日本のスタンスとは大きく違う。

世界保健機関(WHO)による現在のパンデミックインフルエンザ警報フェーズ
前パンデミック期
フェーズ1 亜型ウイルスの存在が確認されているがヒト感染のリスクは低い
フェーズ2 亜型ウイルスの存在が確認され、ヒト感染のリスクがより高い
パンデミックアラート期
フェーズ3 ヒトからヒトへの感染は無いか、あるいはきわめて限定されている(家族や身近な接触者等)
フェーズ4 ヒトからヒトへの小規模感染(単独国家内での感染)を認めるだけの証拠が存在する。パンデミックとなる可能性は中〜高程度
フェーズ5 ヒトからヒトへの相当数の感染(複数の国家での感染)を認めるだけの証拠が存在する。
パンデミックへと発展する可能性が高く、早急に大流行への計画的な対策を講じる必要性がある
パンデミック期
フェーズ6 グローバルパンデミック(世界流行)の状態。
フェーズ5の状態に加え、当初集団発生したWHO管区とは異なる管区で集団発生が確認される。

WHOおよびその他の専門家は、20世紀おこった3回のパンデミックの最後が発生した1968年以来のどの時よりも現在世界はインフルエンザパンデ ミックに近づいていると考えている。WHOは、世界にパンデミックの脅威の深刻さおよびより高度の事前計画活動を実施する必要について知らせるための制度 として、パンデミック警報の6つのフェーズを用いている。

日本で今、フェーズ6の状態に陥ったらどうなるだろう。新型インフルエンザの新薬があれば解決するのか?感染症の専門医は十分なのか?緊急時の医療 体制は整っているのか?報道を見る限り、全てが後手のように見える。枡添厚生大臣は、年金問題から保健省の不祥事と重なる問題に良く頑張っていると思う。 日本は医師を育て上げる長期計画で、シミュレーションの甘さからか、慢性的な医師不足を生み出した。地方には、上物はあるもののカラの病院が多い。隣町に 病院通いをする話を良く聞く。

似た話で、弁護士不足も同じだ。法律問題を相談しに行くにも、その地域に弁護士がいないのが実態だ。今年から陪審員制度を導入するとはいうが、一般人の理解は十分なのだろうか。陪審制の歴史の無い日本が、「形」だけ欧米化することには危険すら感じる。

すべて、これからの日本をどうするのかに話は戻ってしまうが、改革しなければならない事柄は早急に改革したいものだ。そのためには、本当の意味のボーダーレス感覚で世界と付き合う決意が国に、国民に必要だ。

フェーズ6の状態でなくても、感染源をシャットアウトするには水際対策が有効であろう。しかし、自国だけが助かれば良いというスタンスでは「鎖国時代」に戻ってしまうのではないか。

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